徳念寺様
住む人と共につくる自然素材の家
通路部分の軒です。
軒裏は、杉の化粧仕上げです。
■徳念寺様
地元木津川市にある真宗大谷派の徳念寺さんの御本堂。
築百数十年の立派な建物ですが、この度、老朽化に伴い、
石垣の補修や床下の改修、おトイレの増築など
建物にとって大切な部分であり、かつ仕事の難しい部分の相談に
のらせていただいています。
石垣は、コンクリートの擁壁に作り替えました。
そして、その擁壁周辺部分の基礎を(基礎といっても石の上に柱がのっている
だけのものですが)鉄筋コンクリートで補強し、シロアリに喰われた柱を入れ替え
床下を補強しました。
そして別棟にあったおトイレを解体し、新たに御本堂の横におトイレを作りました。
多くの地元の方々が出入りされるお寺です。
材木を厳選し施工方法を煮詰めた上での工事です。
写真では分かりにくいですが、
上の写真は柱の右半分を切断し束石を差し込んだところ。
そして左半分も束石を差し込むと、左の写真のようになります。
建物の荷重がかかっているので、慎重に少しずつ作業を進めます。
床下。
屋根を支える5寸角の柱の足元です。
腐った部分を約10cmほど切取り、
コンクリートの束石に差し替えます。
この後、その下にコンクリートを流し込みます。
おトイレの内部の壁。
腰の高さまでは、桧を貼ります。
吉野桧の無節。
カンナのかかった白い木目に緊張感が漂います。
床は、コルクを貼ります。
この内装は、ご年配の方が冬、寒くないようにとご住職のご意向です。
左は、足元をシロアリに喰われた柱を,
地盤面から約1.2mほどのところで根継(ねつぎ)して
補強したところです。
鍵型に色の変わっている箇所で既存の柱を切断し、
新しい柱に差替え、更にその横にもう一本柱をそわせて
それらをボルトで縫い合わせてあります。
根太も新しいものに差替えて、これで足元はかっちりとします。
お手洗いへの渡り廊下の階段とスノコです。
これも奈良県吉野の桧です。
9月23日 落慶法要
床下にもぐり込んでの作業が続きます。
これは、柱の足元にドリルで穴を空け、
そこにコンプレッサーで防蟻剤を注入しているところ。
裏山の大木が建物のすぐ横まで張り出しており
昆虫達にとっては格好の住処となっている床下ですが、今回一掃します。
材木への薬剤散布と土壌への散布、
それに防湿シートを敷いてのコンクリート打設と、
できる限りの処置をします。
御本堂の横に新たに作るおトイレの工事です。
大工さんは、現場の寸法に合わせて
材木を加工していきます。
4寸角の桧、全て化粧仕上の仕事で、
大工さんの慎重な作業が続きます。
御本堂の軒は、長年の瓦の重みで垂れ下がっていたのをジャッキで上げ、
桁(水平の構造材)で補強をした後、屋根を延長しました。
完成写真
足元を据え直し、
鉄筋を入れてコンクリートを打設します。
外壁は、焼杉を貼っていきます。
この軒に大きな樋をかけます。
樋には落葉が溜まらないように、
ステンレスのネットをかぶせます。
仕上は細かな作業が多く、なかなか進みません。
ようやく、おトイレの内装も仕上がってきました。
床は、コルクタイル。
壁は腰までが桧の無垢板、その上が漆喰仕上げ。
温かくて柔らかい、快適なおトイレが出来ました。
増築した部分の全体象です。
古い立派な屋根に、
白い桧の柱が似合います。